コラム

人との距離感を社交ダンスで科学する(社交ダンス×パーソナルスペース)

エレベーターや満員電車など、人が密集しやすい空間で見知らぬ人との距離が否応なく縮まるとストレスを感じて、身体がかたくなり、緊張したり、発汗量(いやな汗が)増えたりすることがありませんか。

この他人と保っておきたい距離感、人間が自分の体のまわりに持っている、なわばりのようなもの、他人の侵入を拒む空間を「パーソナルスペース(パーソナルエリア)」といいます。

人はパーソナルスペースが確保されない時、人は身の危険を感じて、アドレナリンが分泌され、そのような反応を促す原因となることがあります。

一般的なパーソナルスペース

親密な関係の場合(家族や恋人など):45cm以内
個人的関係の場合(友人など):45~120cm
社交的関係の場合(職場の同僚など):120~360cm
公式的関係(公的な人物と公式的な場で対面する時など):360cm以上

パーソナルスペースは個人差がとても大きいものです。
自分に自信がある方は、パーソナルスペースは小さくなりますし、都会での生活が長い方は、田舎での生活が長い方と比較してパーソナルスペースが小さいといわれています。

パーソナルスペースをうまく活用することは、ビジネスや恋愛において、相手との関係性を深めていく上でとても大切なポイントです。

さて、社交ダンスは身体がほぼ接触した状態で踊るスポーツです。経験がない方から見て、パーソナルスペースが近いことが始める抵抗となっている方もいるかと思います。

慣れてしまうということが、結局一番の方法だったりしますが、社交ダンスについて、パーソナルスペースのストレスを緩和する方法について3つ紹介したいと思います。

1.コミュニケーションをして、お互いの共感力を高める

なにか怪しげな人とは、距離を置きたいと思うこともあると思いますが、相手がどういう人かによってパーソナルスペースは変化します。

ダンスパーティーなどでは、初対面の方を含めて多くの方と踊る機会があります。一期一会ではないですが、せっかく踊りを楽しむ場所がある以上、そこで知り合った相手ともストレスを少なく、楽しく踊りたいものですよね。

親近感を感じることでパーソナルスペースに入られるストレスを緩和させることができます。

簡単なコツとして、すぐ踊りだしてしまうのではなく、まず、“はじめまして”や“お願いします”などの声をかけるだけでも、その方との距離感を縮めるということがあります。

男性が女性の手をとり、フロアまで“リード”することもそのひとつ。

自分の経験上、名前を名乗ることにあまり効果がないような気がしますが、例えば、“今日はいっぱい来ていますね”や、“フロア滑りやすいですね”など、踊りだす前に共感を求める会話があると、より親近感を持ってダンスができると思います。

さて、実際に踊る場面においては、パートナーに対して、自分の表現をしっかり伝えることも親近感を与えるポイントのひとつになってきます。
リズムの取り方を相手に伝えるなど、踊るムードを作ることでお互いの理解が深まったような感覚をもつ効果あります。

共感はいうまでもなく、普段の生活においても、信頼を得るポイントのひとつですよね。

お互いを理解し信頼することで重要なことは、まず、共感できるポイントから安心する関係性を作り、それからお互いの情報を伝えあうことで、スムーズに信頼が築けるのだと思います。

 

2.まずはゆっくり動こう

心理学に言えば、パーソナルスペースに相手が入ることのストレスは、その方との闘争状態になることを意味しています。
知らない相手が迫ってきたときに、戦う体制を整えるため、アドレナリンが放出した状態になっています。

ちなみに、攻撃的で怒りっぽい性格の方のほうが、パーソナルスペースが広いことが知られています。
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闘争状態になっている場面においては、身体は酸素を必要以上に積極的に取り込もうとする体制になっており、また筋肉が収縮するなど、闘争する上で必要なところに神経が集中している状態になっています。
もちろん、柔軟性、芸術性を求められる社交ダンスにおいてこれはNGです。

この状態で、激しく踊りだせば、より酸素、筋肉を使う状態になるのですから、より硬直し、また相手により気が回らない状態になってしますのは、仕方ないことなのではないかなと思います。

まずは、リラックスできるように動くこと。これが、ストレス緩和によく効きます。
そのパートナーとのダンスに慣れるまで、よく呼吸して、やわらかく、ゆったりした動きに努めることで、相手とのダンスにより楽しめるようになるのだと思います。

特に男性は自分がリードしているということもあるので、自分のペースばかりにとらわれず、女性の“心がほぐれている”ことを感じようとする配慮は大切なのかなと思います(とても難しいこととは思いますが、、、)。

普段の生活においても、これから関係を作る相手には、いきなり難しい話をしたり、忙しい作業させたりするのではなく、ゆったりと落ち着いた時間や空間のクッションがあるとスムーズに関係を作れるのだと思います。

3.相手に逃げる隙を用意しておく

社交ダンスにおけるリード&フォローについては、相手の動きを抑えるということが一つのポイントになります。
少しわかりやすい表現になるよう頑張りますと、男女ともに自分が動きやすい場所に相手にいてもらえるよう、くっついて踊ることといったイメージでしょうか(>_<)

しかし、心理学的には、不慣れな相手と対峙するときは、逆に逃げ道が用意された方がストレスにならないということがあります。
パーソナルスペースに入られた場合、敵対心のストレスと感じるのですが、一番簡単な解決策は、その場から逃げることがなんですね。
逆にいえば、逃げる余地のないように捕まった状態は、大げさに言えばパニックの状態を生むことがあります。

ですが、完全に離れて踊った場合は、これは社交ダンスではないことが難しいところ。
この点について、少し考察すると、通常よりもホールド(組み方)、姿勢、コネクションなどの力を抜き相手に逃げる選択肢を残すことで、多少なりとはストレスが緩和されるポイントになるのかなと思います。
(当然、しっかり踊りたい方には逆にストレスですので、様子を伺ってください。)

少し違う感じもあるかもしれませんが、普段の生活でいうと、まだそれほど、交友がない相手には、当然個室で話すよりも、公共の場、もしくはオープンスペースを活用したほうが、話しやすいということに似ているのかなと思います。

以上、社交ダンスの関するパーソナルスペースの話でした。

普段、よく社交ダンスに慣れている方にとって当たり前かな、ということであっても別の観点からみると、新鮮みのある話になるかなと心掛けて記事を書いてみましたが、その場で楽しむことが社交ダンスのよさだと思いますので、深いことに捕らわれすぎず、あくまで参考までということでお願いします。

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