コラム

食生活から変えるダンススタイル【美しいラインを整える栄養学】

(From the July/August 2015 edition of American Dancer Magazine)

他の多くのスポーツアスリートと同じように、社交ダンサーも最適なボディコンポジションを造るため、また、運動をするためのエネルギー、健康を保つための栄養を、食環境から整えていかなければなりません。

 

しかし、他スポーツの競技選手以上に、ボディバランスをキープするために、余計なものをそぎ落としながらも、ダンスする上でコンパクトな体型も維持しなければならないのです。

 

色々なことを考えなければならない分、社交ダンスをする人のとっての必要な食とは難しいテーマなのかもしれませんね。

 

今回の記事では、普段の食生活をちょっとだけ変えてみることで、社交ダンサーの大切なテーマである”体脂肪率を下げること”、”筋肉を整えること”、”エネルギー、食べる満足、健康のこと”についての記事を紹介したいと思います。

 

目標を見定めることで、現在の栄養管理の課題を改善してみましょう。

 

 

体脂肪率を下げる

 

体脂肪率を下げるセオリーはとてもシンプルです。よく運動し、摂取するカロリー数を下げること。

 

しかし、多くのダンサーの誤りとして、単純に運動量を今よりも増やすことを考えてしまうのですが、それだけでは適切な対処方法とならないことがあるのです。

 

注意したい点のひとつは、日頃の練習を強化し、運動時間を増すこと。肉体の疲労を回復させる時間が考えられていなければパフォーマンス力の低下につながることがあります。

 

トレーニングで疲弊した身体は適度な休息を挟むことで、能力が回復し、また能力が向上していきます。単に練習を続け、回復する時間が少なくしてしまうと、怪我やオーバートレーニングとなるリスクが増えてしまうことがあります。

 

ふたつめは、一見、有酸素運動でダイエットに適するとみられる社交ダンスですが、実は、アスリートとして見たとき、練習時の必要なエネルギーは意外と少ないということです。

 

脂肪燃焼に効果的なエクササイズとしては、ランニング、サイクリング、水泳などが挙げられますが、これらはみな持久力が求められる運動であり、また長い時間連続して行われることが特徴としてあります。

 

しかし、社交ダンスの練習では常に踊り続けるということはなく、動いては止まってを繰り返し、動きやシルエットを確認する時間が必要となります。このような練習は、必要なエネルギー量が意外と少なくなり、体脂肪を下げるという点では、比較的効果が期待できないのです。

 

時間をかけず、身体の負荷が少なく脂肪を燃焼させることを考えると、ダンサーの練習として並行して、食事環境のコントロールをすることが大切です。

 

しかし、食べる量を減すことは、体脂肪率を下がる効果が期待できたとしても、極端に食べる量を減らすことはお勧めできません。シビアのカロリー制限は、筋力量を減少させ、運動に必要なエネルギー量の枯渇し、健康に必要な栄養が十分に摂取できなってしまうからです。

 

体脂肪率を減らすことは、段階的に徐々な取り組みが大切です。

 

理想的な減らし方は、人それぞれですが、一週間で数百グラムずつを減らすことが健康的な落とし方になるでしょう。

 

一日のカロリー数でいえば、200~300キロカロリーを減らすことで可能な目標です。

 

脂肪を1kg作るために必要なカロリーは7,000キロカロリーといわれています。一日100キロカロリーの減少でも、1週間で100gの脂肪の減少になります。

 

炭酸飲料500mlでおおよそ225キロカロリーといわれています。また、エビのてんぷら一つで50キロカロリーになります。

 

必要なとき以外は、炭酸飲料や、アルコールの代わりに水やお茶を飲むこと(脱水症状を避けるために飲まないことはやってはいけません)、料理にオイルやバターの使用量を減らすことで達成可能な数値です。

 

低脂肪ダイエットや、炭水化物ダイエットが人気になっていますが、どちらもいい面ばかりではありません。肝心なことは、カロリー数をバランスよく下げることです。栄養に関する知識をつけて、必要なときに必要なものを摂取するということは忘れないでください。

 

筋量を整える

 

筋肉をつける意図があるかに係らず、知らず知らず身についているものが筋肉というものです。

 

しかし、ローカロリーダイエットをしながらハードなトレーニングしていダンサーは、ボディマスのバランスが崩れるリスクがあり、パフォーマンスや外見に悪印象を与えてしまいます。

 

バランスのよい食事によって、ダンスに必要な筋量を蓄えながら、また理想とする体型を目指していかなければなりません。

 

バランスのとれたダイエット戦略で大切なのはプロテインです。これは、特にカロリー制限をしているときは注意しておきたいところです。

 

プロテインはアスリートにとって、一般の方よりも多くの摂取量が求められます。

 

社交ダンスのコンペティターは、毎日体重あたりの消費するタンパク質量は0.75~1グラムになります。

 

55kgの体重のダンサーは一日に90gのタンパク質が必要な計算です。

 

高タンパクな食材には肉、魚、鶏、卵、チーズ、ヨーグルトがあります。ホエールプロテインも摂取しやすいもののひとつでしょう。

 

エネルギー、食べる満足、健康のこと

 

摂取が必要なタンパク質がわかったところで、次に、運動するために必要なエネルギー、食べる満足感、健康ついて満たしているか考えていきたいと思います。

 

強度なダンスの練習は、まず第一に燃料として炭水化物が必要です。エネルギー制限に努めているダンサーにとっても、米、麦、じゃいがいも、果物から十分な糖分は得たいところです。

 

特に、人間の体の仕組みでは、脳に送る糖分が不足すると、たんぱく質を分解してグルコースを作りだす糖新生というメカニズムが働くので注意が必要です。せっかく身に付けた筋量が落ちてしまいます。

 

また、遅行性と即効性の糖分の違いについて理解しておくも大切です。同じカロリー数を摂取した場合においても、その消化のメカニズムに違いがあるからです。

 

遅行性の糖分にあたる穀物類は、エネルギーとして必要なグルコースまで分解する時間が長く、食事をしてから、ゆっくりとエネルギーの吸収を行うことができます。

 

しかし、即効性の糖分である果糖などは、グルコースまでの分解が容易であることから、吸収して間もなく血中にグルコースが回ります。このことから、時に必要以上に糖分を摂取してしまうことがあります。

 

デモや試合など、パフォーマンスする直前に糖分がほしい場合は、即効性の糖分が必要となりますが、日常の練習においては、なるべく遅行性の糖分をとるよう心がけておきたいところです。

 

食事に関する知識について紹介したところですが、最後に普段の食生活で得られる満足感の大切さについても紹介したいと思います。

 

基本的な考え方としては、まず、自分が食べたい食材を選ぶということです。

 

高炭水化物な食事をすることでパフォーマンスがよくなるアスリートがいる一方で、脂肪をより取ったほうが良い結果があるアスリートもいるでしょう。その人に必要な栄養というのは個人差があるのです。

 

そのときの自分に必要な栄養というのは、最終的には自分の感覚によく耳を傾けることが理想的です。必要な栄養素であれば、その食材は食べていてとてもよい気分になり、長い食事制限を行う上でもやる気にもなります。

 

まずは、何のためにそれを摂取するのかの知識を集めることです。社交ダンサーのみならず、現代人はビタミンやミネラルなどが不足することがありますが、フルーツや野菜などの食品に含まれる栄養を意識して摂取してみてください。

 

これを意識して続けていくことで、栄養の知識と感覚が一体になり、少しずつ今必要な食材なんなのか、体の調子から理解できるようになっていくでしょう。

 

最後に

社交ダンスをする人にとってみれば、正しい食事管理までするということは、とても面倒で、なかなか気が進まないことかもしれません。しかし、案外やってみると、簡単に実行できるものが多いと感じるのではないかと思います。

 

トレーニングをするときも同じですが、目標とする体型やパフォーマンスを意識しながら、食べる物についても選ぶことができれば、自分の努力がもたらす効果を楽しんで食事管理ができるのではないかと思います。

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