コラム

勝てるポスチャーをつくろう~トレーニング方法を紹介します~

(⇒参考記事:Perfect Posture )

あらゆるダンスに共通することですが、社交ダンスでは、ラテン、スタンダードのどちらを踊るときも、ポスチャー(姿勢)について習うことがとても大切です。

特にスタンダードは、カップルで上手く踊るためには、ホールドの形と同じくらい、互いにポスチャーがしっかりしていることが大切になります。

よいポスチャーができているダンサーは、フロアで映え、自信がある踊りに見えるということもありますが、踊りのバランスやカップルの調和をつくる点でもとても重要なポイントです。

ただし、最近は、パソコンや携帯が当たり前、かがむ姿勢が多くなってしまって、日常の姿勢が悪くなってしまうんだよな、と感じている方も多いのではないかと思います。

しかし、今、姿勢が悪いからといってダンスを妥協するのはとてももったいないことです。

普段の生活でできるトレーニングで、よいポスチャーを作り、ダンスが上達することができます。

今回の記事では、ポスチャーに関する説明と、そのトレーニング方法について解説した記事を紹介したいと思います。

スパインについて

社交ダンスにおいて、ポスチャーの話をする前に、まず”スパイン”について説明します。

おおざっぱには背骨を指しますが、もう少し細かく説明すると、首の骨~尾骨までの部分を指します。

スパインは、5つの部分に分かれていて、下から尾骨(coccyx)、仙骨(sacrum)、腰椎(lumbar spine)、胸椎(thoracic spine)、頸椎(cervical spine)になっています。

尾骨や仙骨はひとつの構成になっていて動くことはありません。今回の記事では解説を省きますが、女性に多い症状で骨盤が前傾することで、いわゆる”でっちり”になってしまい、この部分の関節を痛めてしまうことがあります。

(⇒参考記事:【症例報告】 出っ尻 (でっちり) プロバレエダンサーの治療)

腰椎ですが、背中の下部にある部分であり、胸椎はろっ骨の下の方くらいから首の付け根までの部分を指します。

頸椎は首から耳の下までの部分です。

腰椎がなだらかに背中のほうへカーブして、胸椎が前にカーブしています。その後、頸椎でまた背中の方へカーブし、S字の曲線を描いています。

リラックスした姿勢とは、自然にこのカーブがついた状態になります。しかし、ダンスにとってよいポスチャーというのは、上から吊るされるようにひき伸ばして、このスパインのカーブが伸びた姿勢になるのです。

このようなダンサー特有のスパインがしっかり伸びた姿勢を、”ストレートバック”といいます。

スパインをしっかり伸ばすことで、ウエイトをより地面に感じることができ、また、フロアで身長が高く見えるようになります。 競技会などでチャックの判断基準にもなるとても大切な要素ですね。

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さて、ダンスのポスチャーでスパインを伸ばすためには、どのようなことに気をつけることが必要があるでしょうか。

腰椎、胸椎、頸椎のそれぞれのパーツを伸ばすポイントについて解説していきます。

まず、おへそをへこませるよう意識して、背中の腰椎のあるあたりを膨らますようイメージしてください。

次に鎖骨を引き上げて、胸椎を伸ばすよう意識してみましょう。このとき、鎖骨が後方に流れてしまうとバックバランスになってしまうことがありますので、鏡を見ながらろっ骨の中心部分(シャツの第3ボタンのあたり)が前方に残しておく意識があるとよいかもしれません。

次に、頸椎ですが、頭を首の後方に立てるイメージを持って、うなじから肩までがまっすぐ垂直になるイメージで伸ばしていきます。

すでに知られている方もいるかと思いますが、人間にとって頭はとても重たいパーツです。頸椎を伸ばすときに、頭の重さが首でしっかり支えられているところになければ、バランスが大きく崩れてしまうこともありますので注意してください。

これら3つスパインのパーツがしっかり伸ばされた状態がよいポスチャーになります。練習するときは常に心がけてみください。

スパイン周りの筋肉について

スパインは長いカラム状の骨です。骨を正しい位置が動かすには、それを動かす筋肉を正しく使う必要があります。

姿勢をつくる筋肉を正しくストレッチすることでよいポスチャーが生まれます。

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脊柱起立筋(erector spinae muscles)は背中の上下に、ちょうスパインの周りにはしっている筋肉です。スパインと肋骨を上下をつなぐ役割があります。

これらはちょうど、弓矢の弦のような役割があります。ちょうど、弦を引くと弓がしなるイメージをしてみてください。

脊柱起立筋は背中についていますので、これらの筋肉が縮むと、胸部が広がります。このようにすると、ちょうど胸椎のカーブが小さくなっていくのです。

その他ポスチャーに重要な筋肉は、腹部を横にはしっている腹横筋(transverse abdominis)です。この筋肉は腹筋の中でも最も奥にあり、収縮により腹部をねじる動きを作る役割を担っています。

この筋肉を働かせるイメージとしては、おへそをへこませて、腹筋全体を細く見せるような感じです。
(ウエストのサイズを測るとき、細くなるように引き締める感じと似ていると思います。)

このイメージをもつと、スパインの上部が広がって伸び、腰回りが下にさがるような感覚ができると思います。 (上半身と下半身を上下に引き離す感じに近いと思います。)

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次は、腹直筋(rectus abdominis)です。腹部の前面にある筋肉で、多くの人にとって意識しやすく、また鍛えやすい筋肉ではないでしょうか。最近シックスパックという用語もよく聴きますね。

この筋肉は骨盤と胸をつなぐ筋肉で、鍛え過ぎてしまうと、胸郭が正しく持ち上がらなくなることがあり、腹部が常に曲がった状態となり、姿勢が前傾に崩れてしまうことがあります。

ある程度、支える筋肉はしっかりしていた方がよいのですが、よいポスチャーを作る上では、おおよそのイメージとして、外側の筋肉より、内側の筋肉を鍛えることが大切と覚えてください。

なお、ウエストのくびれを作るときには、腹筋運動をやっても効果はほとんどありません。

くびれは前述の腹横筋や腹斜筋(abdominal oblique)が鍛えられることによってできますので、ダンスの練習で自然とつける方が効果的と言えます。

次に、胸筋(pectoralis muscles)です。 ダンサーにとっては、胸筋が引き締めすぎることは、ラインの乱れにつながることが多く、特に注意が必要です。

これらの筋肉は腕と胸部の中心をつないでいます。社交ダンスでホールドをする動きは、胸筋より”サイド筋”と呼ばれる背中の大円筋(teres major muscles)をつかう方がよいとされます。

胸筋に力が入ると胸部が内側にカーブし、枠が狭くなるので気をつけたいところです。

よいポスチャーを作るためのトレーニングについて

腹横筋

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腹部の内筋のトレーニングには、ピラティスやジャイロトニック・エクササイズがとても有効です。
(⇒参考記事: ピラティス・メソッド(wikipedia))

(⇒参考記事: GYROTONIC®(ジャイロトニック)とは)

家でもできる簡単なエクササイズとしては、フラッターキックがおススメです。

両手を脇に置いた状態で背負向けになり、ゆっくりとしたペースで上下にキックします。このとき、膝が伸びていることが大切です。なるべく、おへそをへこめて、スパインが地面についていることを意識しましょう。おへそが地面に近づくことで、より腹直筋を使わず、腹横筋のトレーニングになります。

(⇒参考記事: 1日5分!下腹部を引き締めるサーキットトレーニング)

脊柱起立筋

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これらの筋肉を鍛えるためには、背筋運動が効果的です。地面から身体を起こすときは、頭から順番に上げていくイメージを持ち、なるべくまっすぐな姿勢を保ちながら、エクササイズすると、よいポスチャーを作る上で効果的と思います。できるだけ、首や背中を長くなるようにキープする感じですね。

この運動では、頸椎や腰椎ではなく、胸椎が広がる感じがあるとよいでしょう。伸びた姿勢でうまく行えないときは、腰にダメージを与えてしまいますので注意してください。

姿勢を維持するのが難しいと感じる方はバランスボールエクササイズでも効果が得られると思います。

腹直筋

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前述のとおり、腹直筋は引き締めてしまうとポスチャーが崩れることがあります。

ここでは、筋肉が柔軟であるようにYoga Cobra Poseを紹介します。
まず、まっすぐな状態でうつ伏せになり掌を地面につけ、ここから、手で地面を押して帆のようにボディーをアップするストレッチです。

スパイン全体がなだらかなカーブになっているのが理想的です。腰元で急に曲がったりすると十分な効果が得られませんので注意してください。

胸筋

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腹直筋と同じく、引き締まることでポスチャーの乱れにつながる胸襟のストレッチ方法を紹介します。

まっすぐ腕を伸ばした状態で手を壁に付けて、胸から離れるように伸ばしていきます。 手をつける高さは肩の位置を目安として、少し下か少し上の高さで行ってください。 上下で異なる筋肉群がストレッチされます。
このストレッチをするときは、身体の肩の位置が動きに合わせてくずれないように注意してください。

最後に
今回の記事では社交ダンスで、よいポスチャーを作るときのスパインの注意点について紹介しましたが、これは基本的な姿勢に関する話ですので、実際に踊るとき、特にスタンダードでは、カップルとしてキレイなポスチャーを作るときは、男女とも少し左にストレッチするラインを意識します。また、ステップによっては、ダイナミックにスパインが動くこともあります。

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写真は、スローアウェーオーバースウェイです。女性のスパインは背中方向にしなって伸びています。一見すると、腹直筋がとてもストレッチされた姿勢に見えますが、このとき、背中とネックはつぶれていないことがポイントになります。

また、胸筋がよく広がっていて、腹横筋の基本が維持された状態で作られています。

よいポスチャーがマスターできれば、写真のようにしなやかで優雅な印象に見てくるようになるでしょう。

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