コラム

【コラム】社交ダンスはコストパフォーマンスが低い趣味というのは本当か

社交ダンスは音楽と人が集まる場所さえあれば、どこでも楽しむことができます。

といっても、正直な話、実際としてやってみると意外なところでお金がかかってしまうことがあります。

その趣味に深く入るならば相応に費用がかかってしまうのは同じことなのかもしれませんが。

そして、社交ダンスについて、実はこんな噂もあったりします。

「社交ダンスはお金がかかるからほどほどにした方がよいよ」

ここまで言われてしまうと、せっかく始めたいと思っていても、尻込みしてしまいます。

では、実際に、社交ダンスにかかる費用を紹介したいと思います。

①ダンス教室でレッスンを受けるとき(30分3500~6000円くらい)
②ダンスシューズを買うとき(1万円前後)
②競技会に出場するとき(1回5000円くらい)
③ダンスパーティーに参加するとき(スタジオ開催の場合は2万~5万円くらい)
④燕尾服やドレスを購入するとき(15~50万くらい)

どうでしょう。

イニシャルコストとして、最低限必要なシューズをそろえて、2万円程度。プロの先生のもとで習うとすると、年間で12カ月×3回×3,500円≒13万円程度になるでしょうか。

確かに、ジョギングや水泳と違って、練習するだけでも少し値段の高い趣味になるのかもしれません。

ちなみに、私達のような社会人サークルで習う場合は、週1回1000円~2000円が相場と思います。

 

では、それだけ支払って、どれだけ楽しめるのか、どんないいことがあるのか。もっと、お金かけずに習う方法がないのかが気になるところですね。

 

今回の記事では、社交ダンスの歴史をたどりながら、どのように楽しまれてきたのかを紹介したいと思います。

社交ダンスのルーツは貴族の舞踏会ではない??【社交ダンスのルーツを探る】
少し難しい話から入りますが、今、多くの方の”社交ダンスのイメージ”となっている“中世貴族の舞踏会”が社交ダンスのルーツはではないということはご存じでしたでしょうか。

wikipediaから記事を参照すると、

最初に誕生した社交ダンスは、ワルツ (ウィンナワルツ)だった。ワルツのルーツはヨーロッパの民衆の中で踊られていたダンスだと言われている。プロヴァンス地方で踊られていたヴォルトというダンスが始まりだという説と、南ドイツからオーストリアにかけての民族舞踊レントラーというがルーツだという2つの説がある。

簡単に言えば当時のところのバー(酒場)に出入りする一般人が、ひとつの遊びとして楽しまれていたということになります。

どちらかと言えば、当時の貴族のエンターテイメント、音楽(オーケストラやオペラ)や芸術であり、ダンスといってもフランスではバレエが主流なものでした。

近世になってから、巷のバーなどで流行していたワルツが宮廷でも楽しまれるようになって、これが、現代の社交ダンスのイメージにつながっているのだと考えられます。

また、このとき、北米生まれのジャズやラテンアメリカの音楽が一般に流行し、タンゴ、フォックストロット、ジルバやチャチャチャなどが社交ダンスのジャンルとして踊られるようになり、現在のスタイル(種目やステップの形)ができました。

これは、20世紀に入った後のことですので、意外と昔の話ではないと感じる方も多いのではないでしょうか。

それから、ダンス技術が成熟していって、単なる遊びとして楽しまれた社交ダンスが、優雅さという”観る価値”や”学ぶ価値”が増していって、”競技”という形が生まれました。

今、プロの先生として営業されている方の多くは、こういった競技者(コンペティター)の方か、昔出場されていた方がほとんどなのではないかと思います。

現在の社交ダンスの業界では、昔の舞踏会のような”踊る場所を提供する”という娯楽ビジネスから、新たに現在のような”技術を教える”というスクールモデルのビジネスが主流となっています。

社交ダンスを趣味として続けている方の楽しみ方について
さて、現在の社交ダンスの楽しまれ方について、主なモデルを2つ紹介していきたいと思います。

社交ダンスを含め、音楽、芸術、スポーツなどの趣味を長く続けていくためには、”いかに目標をもって長く続けられるか”が大切なポイントです。

コストパフォーマンスがよいとされるマラソンを趣味としても、大会に出場して目標とするタイムを出すために練習することが長続きのコツですよね。

さて、どのような目標をもって続けているかによって、社交ダンスを習うスタイルが大きく変わっていきます。

今、社交ダンスを長く続けている方は、”発表会”や”競技会”とこの二つのどちらかを目標として、習う方が多いのです。

これらのモデルについて社交ダンスの楽しみ方について簡単な紹介をします。

【発表会モデル】


社交ダンスの教室や協会が開催する”発表会に参加すること”を目標として、レッスンを習うスクールモデル。
2~5分の曲に振り付け、各々ステージで発表を行う。
多くのダンス教室では、年に1、2回ホテルのイベントホールで発表会を開催している。

”発表会モデル”では、各教室の先生と練習に振り付けや相手役を務めてもらい、よくある形としては、ホテルのディナーつきのイベントとして開催されていました。

この発表会は値段が高いです、、、高級イメージの舞踏会を演出しようとするのであればなおさらですが、参加するだけで2万~5万円ということもよく聞きます。

しかし、最近ではスタジオのミニパーティーであるとか、また結婚式場の空きスケジュールを利用したイベントを開催するなど、それほどお金をかけなくても楽しんでもらうスタイルも出てきてますので、少しずつですがより広い方に楽しんでもらえる形に業界が変わってきているのかと思います。

 

【競技会モデル】


社交ダンスの協会が主催する”競技会に参加すること”を目標として、練習する。
競技会では年間の成績に応じて、A~D級が与えられ、昇級やビックコンペでの入賞が目標となる。
最近テレビやマンガなどの題材となっている。

競技会モデルでは、素直にダンスの技術を高めるために練習をします。

もちろん小さい頃から始める方がよいですが、クラス分けがされているので、レベルに応じていつ初めても楽しむことができます。

2つのモデルを紹介しましたが、図のとおり社交ダンスを”演じる”ことに楽しみがある方は、発表会モデルへ、単純に”踊る技術を磨きたい”という方は競技会モデルに進む傾向があるように思います。

ここで、これらに共通する社交ダンスのおもしろいポイントをひとつ紹介します。

それは、”パートナーとともにダンスを作ること”です。

パートナーと2人でダンスを作り上げていくため、自分ひとりでは”わからなかったこと”や”気が付かなかったこと”を一緒だからわかった、できたということをたくさん経験します。

私はそうですが、共感がうまれて、ピタッと踊りがはまる瞬間がとても気持ちよく、また楽しいので、社交ダンスを長く続けていっているのだと思います。

また、上手な相手、例えば有名なプロの先生と踊ってもらうと、その先生の技術を肌で体感することができるというのもおもしろい点のひとつです。

武芸の世界などで見て習うことや、指摘されてよくなるということはあると思いますが、“上手な方と一緒に踊ってもらうことで、その技術を体感し、自分もそのように踊ることができる”、これは社交ダンスならではの面白さなのではないかと思います。

社交ダンスを習うことの価値について
もう少し大きな視点でみて、どんなジャンルの趣味においても、それが多くの方から人気や支持を受けるためには、そのものの価値を見出すことは大切なことです。

音楽、芸術、スポーツ、または観劇も含むエンターテイメントの世界において、社会における価値について考えると、

①遊びとしての価値
②参加(競技、発表会)することの価値
③観るものとしての価値
④健康増進としての価値
⑤文化・教養としての価値

があります。

これらのような昔からある価値の他にも、現在では、インターネットやテレビの視聴率を稼ぐための”メディアコンテンツとしての価値”や、オリンピックや世界選手権など大規模なイベントで、選手が活躍することでその国の文化の高さを示す”ナショナリズムとしての価値”があります。

フィギュアスケートでは、ジャンプやスピンなどの競技の採点化を進めることで、スケートをしない多くの方にも観て楽しんでもらえるよう進化し、”メディアコンテンツとしての価値”をつかむことに成功しました。

同じダンスというジャンルでも、バレエは、オーケストラやオペラと同じく、古くから築かれてきた”観るものとしての価値”を現在でも多くの方に支持されています。ジャスやヒップホップはポップなカルチャーから観劇まで多くの表現に取り込まれて”観るものとしての価値”を高めています。

最近流行りのヨガは、”健康増進としての価値”として、姿勢を整えつつ自分の気持ちと見つめ合うというコンセプトで価値を打ち出し、多くの方に支持されるようになってきました。

さて、社交ダンスについてはどうでしょうか。先にお伝えしたとおり、”遊びとしての価値”がルーツの社交ダンスですが、他と同じく”観るものとしての価値”を打ち出していく方向にも業界は動き出しています。

以前、当ブログでも紹介しましたバーンザフロアはそのひとつです。

また、最近では日本の若手プロの先生方が力を合わせ、講演も行われており、現役プロのダンスが盛りだくさんに観ることができます。

また、競技の採点化についても、徐々に進んでいるところです。

その他、最近の傾向としては、社交ダンスが学校教育にも力が入れられつつあります。

参考として紹介しますが、この図は趣味や習いごとにおいて、人が楽しいと感じる度合とそのものの複雑さに対する理解度の関係を示したものです。

この青の範囲が人がやりたいと思う領域だとして、黄色の範囲、つまり単調で中身の薄いものには人は関心を示さないのと同じように、赤の領域、つまり何が起きているのかわからない、小難しくて理解できないことも、人気がない、支持されない理由のひとつになります。

日本より社交ダンスが発達したヨーロッパでは、学校で社交ダンスを習う時間があるので、ほとんどの方が社交ダンスについてなんらかの知識を経験があり、これによって、社交ダンスの楽しみ方について理解しやすいということがあります。

たくさんの人に青の領域を広げられるような発信することは大切です。

直接的に社交ダンスを好きにならずとも、学校で習った経験があることで、その楽しみ方についての理解を深め、結果としてより多くの方から支持を受けることができるようになります。

現在でも、社交ダンスが流行したときの世代である60歳以上の方が日本の社交ダンスビジネスの担い手になっていて、これが今の社交ダンス業界の大きな課題ですが、一方で、多くの世代に社交ダンスの楽しさを伝える取り組みがなされてきて、それによって新しい価値が次々と生み出されてきています。

 

私たちのようなヤングサークルがあることもその新しい価値の言えるかもしれませんね。

 

このブログでも社交ダンスの魅力についてさまざまな角度から取り上げて、みなさまに発信していきたいと思っています。

今回の記事はここまでです。

最後に、とある有名な音楽家の言葉ですが(少し変えてますが、、、)、”ダンスは生活においるパンではないが、ワインとしての価値があるだろう”。

生活に華麗な彩を加えるのが社交ダンスの本当の価値ともいいます。ぜひ、みなさまも体験してみてください。

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